障害者支援施設 「カーサ・ミナノ」


1992年(平成4年)に新築開所した施設で、建物本体の設計はアトリエCENTNEN(セントネン)の齋藤年明さんです。食堂を兼ねた多目的ホールの照明、昇降できるテーブル、内部廊下壁の彫刻、各部屋の「ふせぎ」を兼ねた表札をデザイン製作させていただきました。(1992年施工)    (作品の写真撮影:岡本寛治+一部は高橋)


照明インスタレーション

障碍の有無にかかわらず、それぞれの命は、次元の異なる様々な宇宙と世界に育まれて輝いています。それぞれの光と波動が干渉しあって美しい世界と未来がつながり広がっていってほしいという願いを込めて。



「宇宙と生命のマンダラ」


水玉、泡、光

上からの糸
宇宙

たくさんのベビー宇宙

天体

      光

 


高さを調節できるテーブル

脚頭の擬宝珠を各テーブルで異なるデザインとしました。それぞれの日常であっても、それぞれの命が輝きますように。




道(廊下)にある彫刻

建物全体が町で、廊下は道、各部屋は家のように、というのがカーサ・ミナノの建物のコンセプトでした。大きい彫刻がひとつあるよりは、道のところどころに道祖神のように小さいものがあって、外に出る機会が少ない入居者の方にも楽しめる道(廊下)にできないかと、設計の齋藤さんからのご希望があり、廊下の壁に埋め込む形で、手に触れたり、動かしたりできるようなものも作らせていただきました。(製作:高橋れい子) 

 

  写真をクリックすると拡大されて、その下の方に詩があります。


「ふせぎ」を兼ねた表札

 齋藤さんのお誘いで秩父の民俗資料館に行き、秩父地方では、民家の戸口に年間を通して災難よけ、魔よけのために「ふせぎ(穴のあいた石、 トゲの多い魚、サルノコシカヶ、お札、長寿の人の手形等)」を付ける習慣があったことを知り、そういう意味を持った表札を作らせて頂こうということになりました。

 古くから世界各地に、衣装、生活道具の紋様にも、災いをさけて幸せに暮らせるように願いをこめて手仕事をされたものがたくさんあります。ここでは少数民族の伝統的な紋様を参考にしたり、植物の姿をかたどったりしながら、廊下ごとに基本の形を決め、各部屋ごとに違う模様を彫りました。(製作:高橋れい子)