●木のジャングルジム「くむんだー」について

 ここ数年、木の家ネット・埼玉がおこなっている木育活動「くむんだー®」が広がりを見せる中、一昨年の2018年に都幾川木建は自前の「くむんだー」を製作し、地域会としての木育活動を始動しました。

 木のジャングルジム「くむんだー®」は、『出来上がったジャングルジムで遊ぶというより、他の子たちと協力しながら組み立てる過程、解く(ほどく)過程を経験することで共同作業の楽しさを知り、伝統木造建築に親しんでもらうことを目的』として、(一社)職人がつくる木の家ネットの会員である川村克己氏(滋賀県・川村工務店)が開発した木育玩具です。現在、全国の20団体が『全国「くむんだー」木のジャングルジム協会』に加盟して活動しています。

 

 

●「くむんだー」の魅力

 ある会場で、一人のお母さんが子供に投げかけた言葉にびっくり、「遊びじゃぁないんだからね ! 」。

そう、「くむんだー」は玩具でもありながら、ジャングルジムを組み立てるというミッションでもあるのです。

子ども達が夢中になって木槌でクサビを打つ姿を目の当たりにすると、私は


 昔、カヤ屋根の葺き替えなど人手を要する建築作業は、「結・ゆい」という村落住民同士の共同作業でおこなっていましたが、「くむんだー」はまさに子供たちの手による「結」と言って良いでしょう。
 また、「くむんだー」の構造は、ひとつひとつの部材が単に寄せ集ったものではなく、それぞれが繋がり合って一体となっています。これは「総持ち」といわれる原理で、よくラグビーについて語られる「one for oll. oll for one.」に似ています。
 「くむんだー」は、デジタル社会では経験することのできない、人としての道理に繋がる「結」と「総持ち」の両方を親子がいっしょに体験・体感できるところが魅力です。

 

 

「結」

参加者全員が、誰かが強制や命令をするわけでもなく、自己発生的にその能力に応じた役割を分担することで、ひとつの形を作り上げる行動