地元の木と人で建てたいーT邸


 農業を基本に据えた生活を送ろうとされていた T さんは、家も土間のある農家風を希望されました。具体的には、土間のある石場建て平屋で、瓦葺き屋根、土壁造りの伝統木造家屋です。

 また、材木は親しくしている林業家の山主さんの樹を、伐採からお願いして使いたいとのご希望だったので、手入れの行き届いた山の木を伐採し、一年間自然乾燥し、使わせていただきました。 そして、各種工事もその地の縁をできるだけ大事にして、主に地元の職人さんに依頼することになりました。 


竣工写真


工程

 土壁は、土づくりから、竹小舞掻き、荒壁塗りまでを、友人たちの手も借りながら出来る限り建て主サイドで施工し、仕上げ塗りはプロに依頼するという方針で進みました。外壁の杉下見板の柿渋は T さんが塗られました。  

 なお、木の伐採は時期の調整ができたため、全てではありませんが新月伐採ができました。 

 南面の屋根には太陽光発電パネルを設置しています。暖房は、ほぼ薪ストーブと囲炉裏のみです。