心柱と尺角柱がつくる空間

 原木市場に洞のある大きな欅の原木が一本ありました。そして、1尺(30㎝)角の杉材が大量に材木店(飯能市・岡部材木店) で乾燥保管されていました。

 大きいけれど細かく製材することのできない事情を抱えた、これら行き場のない木々たちになんとか安住の地を与えてくれないだろうか。

 そんな不思議な材木屋からの依頼、いや訴えが発端となった建物(住宅)です。

  そして、材料の迫力に臆することなく、この材に惚れ込んでいただいた建て主さんと出会えることができました。


竣工写真


工程

 構造材は心柱の欅と上部梁の栗以外、すべて長さ4m、1尺角(30㎝)の杉材でできています。床板と野地板、そして垂木は厚さ9㎝幅30㎝の杉の厚板です。
 壁下地は大工による木小舞下地の上、外壁は漆喰仕上げ。内壁は中塗りで仕上げました。