百年以上生き続けることのできる民家、そうした日本の木造伝統建築は、木組みの技術により復元力、靭性に富む構造をもち、修理や解体によって再生や移築が可能な有機的な建築です。そして、デザイン的には構造がそのまま意匠となるように作られています。
一方、戦後急速に発展をとげた、在来工法(現在プレカット
が主流)と呼ばれる構法は、構造上は伝統工法の柔に対して剛を前提とし、金物によって強度を保とうとする工法で、構造材を覆って見せなくさせることによって、より経済性や合理性、多様性が追求できる仕組みになっています。
自然の原理に則し、木の特性を生かした伝統構法を基軸とし、できる限り構造材を見せる木造建築を実現したいと考えています。